2020年7月、国の進める「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」において、横浜市はグローバル拠点都市に選定された。ベンチャー企業成長支援拠点「YOXO BOX」をハブとして、横浜ならではの人・企業・投資を呼び込むエコシステムを構築する取り組みを今後もさらに加速していく。
8月28日に実施したオンラインイベントで、横浜市経済局の奥住有史氏、NOSIGNER(ノザイナー)の太刀川英輔氏、plan-Aの相澤毅氏が、〜イノベーション都市に必要なもの〜「横浜のイノベーション政策“YOXO”とは?」をテーマに語り合った。進行はNPO法人森ノオトの北原まどか氏。
(初出:ヨコハマ・イノベーターズ・ハブ)
YOXO BOXをハブとした横浜らしいエコシステムの形成
――横浜市がスタートアップ・エコシステム拠点都市「グローバル拠点都市」に選定されたことについてご説明いただけますか。
奥住氏(以下、敬称略):私は横浜市経済局新産業創造課で、スタートアップの支援と、YOXO BOXの担当をしています。横浜市は7月に、「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」のグローバル拠点都市に選定されました。ここで掲げるエコシステムとは、例えば、スタートアップや大企業、投資家、研究機関など、産官学の様々なプレイヤーが集積、または連携することで、競争ではなく共存・共栄し、先端産業の育成や経済成長の好循環を生み出すビジネス環境を、自然環境の生態系になぞらえたものです。イノベーションをはかりつつ、共存共栄をはかりつつ、持続可能な社会をつくるというものです。内閣府が中心となり、日本版のシリコンバレーのようなイメージをしていただければと思います。
横浜市はこれまで、新たなビジネスモデルを創出する2つのプラットフォームを作ってきました。IT/IoT分野の約530社・団体によるオープンイノベーションのプラットフォーム「I・TOP横浜」や、医療機関や病院、研究機関など、ライフサイエンス分野の約300社・団体によるネットワーク「LIP.横浜」を通して、新たなビジネスモデルの創出や中小企業のチャレンジ支援、社会課題解決への貢献に取り組んできました。さらに一歩進んだイノベーションを推し進めるために、2019年1月には林文子市長が「イノベーション都市・横浜」を宣言しました。これを受けてみんなを一つにまとめる「YOXO」というロゴとステートメントを作成し、10月にはベンチャー企業支援拠点として「YOXO BOX」を開設しました。
グローバル拠点都市は日本で4つ選ばれています。横浜市は「東京コンソーシアム」の一つとして、東京都、川崎市、和光市、つくば市、茨城県等、それぞれの都市として取り組みを行いながらも、都市間の連携をしていきます。横浜市ではYOXO BOXをハブとして、オープンイノベーション・プラットフォームを生かし、スタートアップ支援、新ビジネスの創出、コミュニティの形成を進め、横浜ならではのエコシステムを構築していきます。
奇しくもコロナ禍によって、スタートアップに対する期待感が高まっているのを感じます。新しいビジネスモデルや生活様式、みなさんが一丸となってコロナを乗り越えていこうというムーブメントに対して、横浜市としても支援に力を入れていきたいと思います。
横浜でイノベーションに関わる人たちはすべて「YOXO」
――続きまして、YOXOのコンセプト立案やステートメント、デザイン等を担当なさった、NOSIGNERの太刀川英輔さんに、YOXOとはなんぞや、その思いと、目指すところについてお話しいただきます。
太刀川氏(以下、敬称略):NOSIGNERはデザイン会社ですが、広義なデザインをしており、最近では大企業の新規事業のコンセプトやスタートアップのブランディング、サービスデザインに関わることが多いです。横浜では球団のブランディングや、アーツ・コミッション・ヨコハマ(ACY)による未来を共創するプラットフォーム「WE BRAND YOKOHAMA」などに関わってきました。そうした流れのなかで、横浜市経済局がスタートアップ・エコシステムに関する新たなコンセプトについて、フランクにご相談にいらっしゃったんですね。横浜では、I・TOP横浜やLIP.横浜、SDGsデザインセンターなど、さまざまなイノベーション創出のための事業をおこなっていて、それぞれに良さはあるのですが、一番やりたいことは何なのか、全体としてよくわからない、という課題がありました。例えばイノベーション都市で成功している、米国テキサス州オースティンで行われるテクノロジーとカルチャーの祭典「SXSWーサウス・バイ・サウスウエスト」のような、際立った都市に見られるアクティビティとイノベーション政策そのものの接続の明快さが横浜にも必要なのではないかなと思いました。横浜のイノベーション政策はこういうものです、という一つのブランドを使い続ける方がいいというお話をしたら、賛同していただき、全体を統合する政策ブランディングとしての名前を考えることになったという経緯のなかで、「YOXO」が生まれてきたんです。
横浜市では創造都市政策を推進していて、特に関内ではクリエイターやアーティストの集積にも力を入れており、経済局が関内をスタートアップの拠点にするための誘致のエリアとも重なっています。しかし今年、行政の中心地が移転したことにより、スタートアップやクリエイターのスペースが新たに関内に生まれ、それを活用する必要もあります。
一方では、みなとみらいは、日本有数の大企業のR&Dの集積地です。資生堂、村田製作所、日産、富士ゼロックス、野村総研、ソニー、LG、千代田化工、日揮、三菱重工など、世界に名だたる大企業がやってきて、「研究機関を置くなら横浜」という流れがこの10年でうまれてきました。大企業の中でも新しい産業を創造しなければいけないと、イントラプレナー育成や社内起業を推奨するようになり、みなとみらいの企業は極めてスタートアップ性が高いものを求めるようになってきています。つまり、必然的に、関内とみなとみらいという、舞台は違えどもスタートアップとオープンイノベーションの活性化が起こり、これらが必然的にエコシステムをもっとつなげたい、つながろうということを象徴する名前をつけよう、と。
横浜は交易のまちでもあり、クロスオーバーの拠点です。ガス、電気、鉄道……あらゆるインフラが横浜発なのです。いち早く外からのイノベーションを取り入れてきたアーリーアダプター都市です。そうしたDNAを持つ横浜を、改めてクロスオーバーする都市にするというコンセプトを出したんです。YOKOHAMA CROSS OVER、略してYOXOになるわけですね。他にもいろんな意味が込められていて、一つは「褒めるカルチャーをつくること」です。よくぞ、自体褒め言葉ですからね。スタートアップカルチャーや大企業の中のイントラプレナーは、その社会においては非常に異端とみなされ、強くなるまでは上からの圧力につぶされてしまうこともあります。一方で、応援してもらえれば伸びる。出る杭になる人たち、横浜から上場していくような、これから次のメジャーになる存在を褒めるエコシステムをつくりたい、という願いも込めています。「よくぞやったね」ということをつくっていくカルチャーであるといい。あるいは進化を生み出す染色体のXとYの意味も込められています。
スタートアップには、ハッカー(技術)、ハスラー(営業)、ヒップスター(デザイナー)が必要です。これまで全然つながっていなかった人たちがつながることで、イノベーションが加速することは間違いない。横浜で電信やガスを引いてきた中心的な存在だった原三渓は、日本美術の最大のパトロンでした。つまり、歴史的にみても創造都市的政策と、産業創出が横浜では結びついていたんです。
YOXOの政策を認知させる上では共通のデザインルールが重要になります。そのため、YOXOのパターンをつくりました。この場所でイベントをすれば、あそこで何かをやっているんだなと一目でわかり、コミュニケーションが展開するようなデザイン上の仕掛けを講じました。YOXOを繰り返し用いることで、YOXOがそれだ、とトータルで示せるといいのかなと。YOXOは我々だけがつくるものではなく、クロスオーバーを生み出す人たち、ないし横浜でイノベーションする人たちはみんなYOXOに入っている状態です。皆さんに使っていただきたいロゴであり、みんなで育てていく仕組みなんです。
クロストーク:関内のまち自体が持つ偶発性、結節点。触媒の役割を果たす可能性
――奥住さん、太刀川さんに、YOXO事業受託コンソーシアムの一員であるplan-Aの相澤毅さんに加わっていただき、3人でクロストークを行います。本日は3つの質問を用意してきました。まず一つは、YOXOによって、横浜にどんなエコシステムが生まれると考えられますか?
奥住:横浜市や行政が主導でエコシステムを発信するのではなく、大企業、スタートアップ、デザイナーなど、いろんな方の多様な経済活動や営みのなかから、自然のつながりとして一つの経済がうまれるといいなと思います。多様性がポイントになると思います。
太刀川:横浜市はエコシステムをつくりたい、と宣言し始めている。あとはやるしかない。横浜市としては応援するという宣言と、そこに投資をする。結局このまちからイノベーションがうまれるかどうかが、求められる成果になるはずです。みなとみらいの大企業と何が生まれるか、地域企業がどんなアクションをつくれるか、YOXOのエコシステムの当事者としては、そうした成果をそれぞれの人たちが出していって応援し合う、そんな状態が生まれるといいですね。
横浜は創業するには環境が圧倒的にいいです。しかもコミュニティがあったかい。横浜はローカルさがあるんですよ。大都市なのに、横浜、いいよね、という仲間意識がある。それはスタートアップや新しい取り組みを育むいい影響を与えていると思います。
相澤氏(以下、敬称略):冒頭で奥住さんからエコシステムの説明がありました。エコシステムそのものの解釈は、当事者や立場によって見方が変わりますが、エコシステム形成におけるコミュニティは必須の話です。ハマッ子らしいコミュニティのあり方に温度感を私は感じとっています。コミュニティを生み出す、育む、醸成するには、そこには触媒になるような、カタリストのような人が必要で、それぞれの触媒がさらにクロスオーバーしていって、一方の領域に偏ることなく散って、それぞれのコミュニティがさらにクロスオーバーすることによってイノベーションが起こり、アメーバ的なエコシステムが構成されていく。それがYOXOらしい、横浜らしいと言えるのではないでしょうか。横浜市はすごく大きく、様々な産業特性があって、面としてのコミュニティの強さがいざできあがった時の横浜のすごさはあると信じています。
―― 横浜ではすでにコミュニティの触手がたくさん出てきて自在に伸びて、アメーバ状につながりクロスオーバーしつつあります。こうした触媒的な動きが可視化されることが、横浜のポテンシャルや温度感を伝えることになり、それが「横浜によくぞおいでくださいました」という空気を生みますね。
次の質問です。グローバル拠点都市における「コンソーシアム」において、横浜市が担える要素はなんだと思いますか?
奥住:シリコンバレーも行政主導ではなく、民-民の中で自然に生まれている部分が多いと聞きますので、触媒的な存在を担えればいいのかなと。相澤さんはまさに人間触媒的な方ですが、組織としての触媒を担うのが横浜市の役割です。大企業からYOXOに対する問い合わせが来ることも増え、スタートアップとの間に入って欲しいというニーズを感じます。一度間に入ってつなぐことができれば、中長期的なビジネスにつながる可能性も感じます。横浜市の近しい距離感や温度感のなかで、横浜市は一ハブ組織として触媒的役割を担えるのではないかなと思います。
太刀川:横浜市は明快な役割があると思います。「東京コンソーシアム」の中で、東京はニューヨーク、横浜市はサンフランシスコのような役割を担えるはずです。国のイノベーション拠点都市形成のなかで日本版シリコンバレーを目指すならば、開港時のチャレンジャー精神あふれるまちの文脈やクリエイティブな空気感、開かれた景色や土壌が、サンフランシスコの現地で感じたカルチャーに近いものを横浜に感じます。アップルのスティーブ・ジョブスも、クライアントと散歩しながらミーティングをしていたことが有名です。ぼくもクライアントとディスカッションしながら山下公園から大桟橋を通って象の鼻パークで戻ってくるのは本当に最高のブレスト体験で、本当にクリエイティブな話をできるまちがあるのが横浜のこのエリアなんです。
相澤:東京コンソーシアムにおいて横浜市に期待されているアドバンテージを読み解いてみると、現時点ではっきりしているのが、横浜市には圧倒的な人口を擁し、それだけの事業性があるのでスケールしやすい可能性の高さがあるということ。今回のコンソーシアムに入っているさまざまな自治体と見比べても、圧倒的に広く、さらに鶴見区から金沢区にかけての京浜臨海地域、新横浜副都心や、都市農業が盛んな港北ニュータウンなど、工業やITだけをみていても様々な産業特性があり、スタートアップにおける多様な要素を兼ね備えています。新たに何かを生み出すわけではなく、足元に多様な実証フィールドがあり、リーチできることが横浜の強みだと思います。
――YOXO誕生したことによって、「みなとみらい」と「関内」はどういう関係になると思いますか?
奥住:新市庁舎が北仲エリアに移転して、みなとみらいと関内の連携のまさに結節点になると思います。横浜市としては、みなとみらいは大企業のR&Dの集積地として発展しており、関内はスタートアップやクリエイターの拠点として、多様なプレイヤーが増えるメリットがあると思います。さらに農業や畜産、工業地帯など、市域を広げると多様な場面で、横浜市がハブ的な役割を担えるのではないでしょうか。
太刀川:みなとみらいが誕生してから横浜の中心はみなとみらい側・馬車道側という考えになりがちですが、歴史的には関内が横浜の原風景なんですね。市庁舎が移転しても関内がそのままになるはずがなく、旧市役所も大規模な開発が行われますし、大学の誘致も決まっています。床面積がそこそこに小さくめちゃくちゃ横浜らしい空気感をまとったエリアは関内である、ということは変わらない。スタートアップやクリエイターの誘致は加速できるし、それが水面下で影響しあったり、事業を加速させることができうる要素があります。こうした創造産業的な文脈は文化観光的に語られてきましたが、YOXOでは横浜の経済をつくるうえで新しい取り組みを応援する、その旗を揚げたんです。クリエイティブやスタートアップ的な観点が経済の本丸に入り、関内エリアがもともと持っていたおもしろい取り組みが、大きなビジネスの文脈とつながるチャンスをつくりだすと思います。チャレンジャーにとってチャレンジしやすいまちという状況と、大企業でチャレンジを課せられる人たちとの結節点がどんどん生まれてほしいと思います。
相澤:みなとみらいは大企業が集積しているエリアとして、新しいものを生み出さなければいけない方々が集まっているエリアです。関内はアーティスト、クリエイターや中小企業も含めて小回りがきく人が集まっているコミュニティです。関内は30メートル歩くだけで人に出会える、フランクに出会い相談もできる、偶発性のあるまちです。みなとみらいではイントレプレナー的な動きをする人も出てくるだろうと思われ、まさに対岸関係にある関内でチャレンジしてみるという、やりやすいフィールドをつくれるんじゃないでしょうか。
奥住:スタートアップの方々は、世の中を変えてやるという熱い思いがある方が集まり、いい意味で体制と一緒にやりながらも、逆に、権威とは別の立場でやるという雰囲気もある。関内の雑居感のあるまちの空気感が、そういったスタートアップの心をくすぐる感じがありますよね。
太刀川:かつてのブルックリンのように賃料が安くて便がいい、そんなヒップなエリアにアーティストが住み着きまちをつくっていったように、関内におもしろい取り組みをしてきた人たちが増えてくると、このまちに対する求心力を生み出していくんだと思います。独立したら関内でオフィスを構えたい、と思ってもらえるように、未来のまちのキャラクターを更新していけるとおもしろいですよね。
――経産省の資料の中に、イノベーションを創出する要素として、技術の集積(経済)×才能の集積(人材)が、包摂・寛容性を生み出し、多様性を受け入れ、イノベーションを生み出すという図式が出ていました。先ほどからアメーバのような、温度感、また雑居感という言葉が出てきましたが、関内というエリアのもつポテンシャルが、多様な人々がジョインできる、私たちもYOXOという大きな傘の中に当事者性を持って参加できるというキーワード、それがYOXOなのかなと思いました。
太刀川:イノベーションを定義したオーストリアの経済学者、ヨーゼフ・シュンペーターは、イノベーションとは新たなものを混ぜ合わせていく「新結合」であると語っています。今まで出会っていなかった人が出会い、結節することが、まさにイノベーションです。内燃機関と馬車が出会うような、大企業の中ではまったく違うクラスターと出会える偶発性は、まさにYOXOの目指すクロスオーバーです。こうした交易が、関内という多様なまちから生まれてくる状況をつくりたいと思っています。
【プロフィール】
横浜市経済局 新産業創造課担当係長 奥住有史氏
1999年株式会社三越(現 株式会社三越伊勢丹)入社。企業派遣生としてIFIビジネススクール修了。メンズやレディースファッションのバイヤーとして、パリコレクション等の海外仕入れや、商品企画、新規事業開発、新店舗出店準備室などを担当。2009年に横浜市入庁。主に経済局にて、創業・スタートアップ支援、ライフサイエンス産業支援、働き方改革支援などを担当。
NOSIGNER代表 太刀川英輔氏
デザインストラテジスト。慶應義塾大学特別招聘准教授。デザインで美しい未来をつくること(デザインの社会実装)発想の仕組みを解明し変革者を増やすこと(デザインの知の構造化)この2つの目標を実現するため、社会的視点でのデザイン活動を続け、SDGsに代表される社会課題において企業や行政との共創から多くのデザインプロジェクトを実現。グッドデザイン賞金賞、アジアデザイン賞大賞(香港)など100以上の国際賞を受賞し、審査員を務めている。発明の仕組みを生物の進化から学ぶ「進化思考」を提唱し、変革者を育成するデザイン教育者として社会を進化させる活動を続けている。
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plan-A 相澤毅氏
株式会社plan-A 代表取締役、イノベーションブースター。株式会社ルーヴィス取締役。
大手生活ブランド勤務を経てから博物館支配人を務め、前職ではデベロッパーにて社長室に所属し不動産開発から海外事業におけるスキーム構築・広報P R・販売戦略・広告クリエイティブ・ブランディング・新規事業企画・商品開発・人材育成制度構築・産学連携などを手掛けてきた。2018年5月に独立起業。不動産事業者や大手家電メーカーのコンサル、大手IT 企業の新規事業企画構築チーム参画、商品開発企画プロジェクトのマネジメント、場のプロデュース、自治体とのまちづくり事業、NPO 法人の理事等を手がけ、多様な働き方を実践している。
NPO法人森ノオト 北原まどか氏
特定非営利活動法人森ノオト理事長。暮らしの足元から持続可能な社会を創造しようと2009年11月にウェブメディア「森ノオト」を創刊、編集長に。市民ライターを育成し、ローカルメディアを軸に地域と人をつなげながら、持続可能なまちづくり事業を行っている。著書に『暮らし目線のエネルギーシフト』(コモンズ、2013年)。