ホルドナマーケット和田さん写真

ホルドナマーケット 和田美香さん 《横浜スタートアップ事業者レポート》


「すぐに着られて、すぐにしまえる」がキャッチコピーの“レインコート収納ポーチKAPAPA(かっぱっぱ)”。2016年頃からTVメディアなどで取り上げられ話題となっている。KAPAPAは、「ホルドナマーケット」代表の和田美香さんが考案し、2014年に特許を取得した発明品だ。そのきっかけは、当時小学生の息子さんが、雨が降ってもレインコートを着なくて困ったことだった。ランドセルやリュックに装着して使うKAPAPAを製造・販売する和田さんに、起業に至る経緯と今後の展開を伺った。

 

発明と屋号、息子さんが大きく貢献?!

和田さんが、KAPAPAを考案したストーリーは9年前にさかのぼる。2009年の雨の日、小学生の息子さんがレインコートを持っているのに雨に濡れて帰ってくる。「レインコートを持っているのに、なぜ着ないの?」という素朴な疑問が、「レインコートを簡単に出し入れできるものにしたら着てくれるかも!」という閃きに変わった。さらに「もしかして」と、特許登録があるかを調べると、和田さんの考えるランドセルの上に装着する型の登録はなかった。また、それを機に一般社団法人発明学会の会員となり知的財産について学び始めた。

和田さんは特許の出願へ向けて動いた。実物を製作し、出願の書類を特許庁に提出。3年後の 2014年3月、無事取得することができた。また、発明学会のコンクールに応募すると、1万5000点余りの発明品の中で15位の好成績を収めた。

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KAPAPAを扱う和田さんの屋号は「ホルドナマーケット」。このユニークな名称も、由来は息子さんだ。息子さんが小学生の頃、言葉遊びで「なるほど」を「ほるどな」と言っていたことから着想を得た。「なるほど!を届けたい」という想いから、言葉遊びで使っていた、「ホルドナ」に「マーケット」を付けて、屋号を「ホルドナマーケット」とした。「なるほど便利!」というKAPAPAのイメージとぴったり一致した。

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仕事と家事・育児で多忙なのに、頑張れる理由は? 

和田さんは、自身を「面倒なことが嫌いな性格」と話す。だからこそ、面倒なことを早くて楽にできるように工夫する。KAPAPAは“早くて楽に”を実現する日ごろの工夫から生まれたのに違いない。当時、和田さんは、仕事・家事・育児で忙しく、この特許を「アイデアを売るため」と考えていた。ところが実際に特許を取得し、企業に売り込むものの思うようには進まなかった。最終的に「自分でできるところからやってみよう」と、友人の協力を得て、ハンドメイドで製品化。イベントに出展して販売するようになっていった。作り手と相談しながら改良を重ねた日々。「あれは、テストマーケティングだったんですね!」と目を輝かせる。

和田さんには「できることを全力でやろう!」という強い思いがある。その一方で、「ずっと不安だった」とも語る。商品を市場に出したのも、諦めるためだった。どこかで自分が諦めると思っていた。そんな和田さんに転機が訪れた。2016年7月TV東京「ワールド・ビジネス・サテライト」の番組内「トレンドたまご」で取り上げられると、レインコートメーカーからコラボの打診などが舞い込んだ。これが次のステップへ進む大きな自信になっていく。

 

 

一つ一つ挑戦、学んで経験にしていく

本格的な生産体制やビジネルモデルを構築するにあたって、和田さんは自身の力不足を感じていた。2016年は起業塾で学んだほか、起業家セミナーへ出向いたり、先輩起業家に直接会って話を聞いたりと積極的に情報収集に努めた。「起業塾で、泣きながら作成した」という事業計画で、「横浜ビジネスグランプリ2017」〔主催:横浜企業経営支援財団(IDEC)〕にエントリー。審査を経て、ファイナリストに選ばれた。「横浜ビジネスグランプリ2017」に参加したことで、自分がやりたいことや商品のコンセプトが明確になるとともに、商品のブランディングにもなったという。これらの経験は、徐々に「事業として収益を上げてやっていきたい」と起業家としての意識に変化していった。

商品を発注した工場生産は、保育士であった和田さんには初めての経験。中国とのやりとりが上手くいかず四苦八苦しながらも、製造業者のサポートを受けながら生産の体制を整えている。「工場での製造、販売ルートづくり、販売戦略、どれをとっても全てが学びで、簡単にはいかない」と知った和田さん。直接工場へ赴き、商品のイメージを伝えたりとフットワークが軽い。さらに、情報を集め、人から学ぶことに積極的な一面もある。東京ビッグサイトで催される「ファッションワールド東京」に、これまで4回出展した。多くのバイヤーたちと直接顔を合わせる中で「これだと売れないから、こうしたほうがいい」などと親切に教えてもらうこともあった。様々なご縁があって、現在のKAPAPAがある。

 

起業家への支援制度を上手に活用!

和田さんは起業家育成のための支援制度を上手に活用している。「横浜ビジネスグランプリ2017」〔主催:横浜企業経営支援財団(IDEC)〕に続き、「かながわビジネスオーディション2018」〔主催:神奈川産業振興センター(KIP)〕でもファイナリストに進出。「IDECやKIPには、困りごとがあると相談して、驚くほどサポートしてもらっている」と和田さん。起業家を発掘・育成するコンテストなどは、たくさんの人との出会いや次への具体的なチャンスが得られるので、積極的に活用している。今年の2月には「神奈川なでしこブランド」に認定され、様々な媒体でKAPAPAが紹介される機会を得た。

また、8月には横浜DeNAベイスターズと連携したロゴ入りKAPAPAの販売も開始された。

 

事業資金については、これまで家計とは別の自己資金でまかなってきた。しかし工場での大量生産を行うため、今年度からは融資を受けて本格的に事業を始動し始めた。

販売戦略も支援機関と相談しながら進める。2017年から卸販売を始めて、現在の卸先は3店舗。ネットでの直販はECサイトで行い、最近はAmazonでも販売が始まった。大手百貨店での販売を見込み、2018年度の販売目標は600個。ランドセルの新モデルが発売される、夏休みから年末にかけて売り込む予定だ。他にコラボした製品の受注や、近い将来は私立小学校向けへと販路を広げたいとしている。「KAPAPA 2018年モデル」はバイヤーや友人たちの声を反映させてさらに改良を加えた。工場に大量発注した今年度は、予定通りに販路が広がるかがキーとなる。

 

周囲の共感を得えて一緒に夢を実現しよう!

和田さんはポジティブで一生懸命。周囲が自然と共感してしまう雰囲気を持っている。「これまでやってこられたのは、家族の支えはもちろんママ友のネットワークのおかげ」と和田さんは微笑む。ママ友とは日頃から連絡し合って、困ったときには子どもを預けたり、ご飯を食べさせてもらったりとお互いに支え合っているという。

息子さんとは、この夏休みに中国の提携工場を訪問するつもりだ。息子さんにはいつも「起業すると出会う様々な面白いこと」を伝えて、一緒に面白がってもらえるようにするとともに、将来に向け教育の一環となるよう、心がけている。家族やママ友、支援者たちを巻き込み、みんなで夢をかなえるホルドナマーケット。これからのKAPAPAの展開に目が離せない。

 

組織紹介

ホルドナマーケット

ウェブサイト:https://www.holudona.com/
Facebook:https://www.facebook.com/holudonamarket/

※「横浜ビジネスグランプリ2019」〔主催:横浜企業経営支援財団(IDEC)〕のプラン募集は8月から予定されています。是非ご応募を!!
URL:http://www.idec.or.jp/keiei/ybg/gaiyou.php

 

【取材】
インタビュアー/齋藤保(株式会社イータウン代表取締役)
レポート・撮影/中山貴久子(株式会社イータウンレポーター/森ノオトライター)

取材:2018年6月

 


ホルドナマーケット和田さん写真

ホルドナマーケット 和田美香さん 《横浜スタートアップ事業者レポート》


「すぐに着られて、すぐにしまえる」がキャッチコピーの“レインコート収納ポーチKAPAPA(かっぱっぱ)”。2016年頃からTVメディアなどで取り上げられ話題となっている。KAPAPAは、「ホルドナマーケット」代表の和田美香さんが考案し、2014年に特許を取得した発明品だ。そのきっかけは、当時小学生の息子さんが、雨が降ってもレインコートを着なくて困ったことだった。ランドセルやリュックに装着して使うKAPAPAを製造・販売する和田さんに、起業に至る経緯と今後の展開を伺った。

 

発明と屋号、息子さんが大きく貢献?!

和田さんが、KAPAPAを考案したストーリーは9年前にさかのぼる。2009年の雨の日、小学生の息子さんがレインコートを持っているのに雨に濡れて帰ってくる。「レインコートを持っているのに、なぜ着ないの?」という素朴な疑問が、「レインコートを簡単に出し入れできるものにしたら着てくれるかも!」という閃きに変わった。さらに「もしかして」と、特許登録があるかを調べると、和田さんの考えるランドセルの上に装着する型の登録はなかった。また、それを機に一般社団法人発明学会の会員となり知的財産について学び始めた。

和田さんは特許の出願へ向けて動いた。実物を製作し、出願の書類を特許庁に提出。3年後の 2014年3月、無事取得することができた。また、発明学会のコンクールに応募すると、1万5000点余りの発明品の中で15位の好成績を収めた。

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KAPAPAを扱う和田さんの屋号は「ホルドナマーケット」。このユニークな名称も、由来は息子さんだ。息子さんが小学生の頃、言葉遊びで「なるほど」を「ほるどな」と言っていたことから着想を得た。「なるほど!を届けたい」という想いから、言葉遊びで使っていた、「ホルドナ」に「マーケット」を付けて、屋号を「ホルドナマーケット」とした。「なるほど便利!」というKAPAPAのイメージとぴったり一致した。

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仕事と家事・育児で多忙なのに、頑張れる理由は? 

和田さんは、自身を「面倒なことが嫌いな性格」と話す。だからこそ、面倒なことを早くて楽にできるように工夫する。KAPAPAは“早くて楽に”を実現する日ごろの工夫から生まれたのに違いない。当時、和田さんは、仕事・家事・育児で忙しく、この特許を「アイデアを売るため」と考えていた。ところが実際に特許を取得し、企業に売り込むものの思うようには進まなかった。最終的に「自分でできるところからやってみよう」と、友人の協力を得て、ハンドメイドで製品化。イベントに出展して販売するようになっていった。作り手と相談しながら改良を重ねた日々。「あれは、テストマーケティングだったんですね!」と目を輝かせる。

和田さんには「できることを全力でやろう!」という強い思いがある。その一方で、「ずっと不安だった」とも語る。商品を市場に出したのも、諦めるためだった。どこかで自分が諦めると思っていた。そんな和田さんに転機が訪れた。2016年7月TV東京「ワールド・ビジネス・サテライト」の番組内「トレンドたまご」で取り上げられると、レインコートメーカーからコラボの打診などが舞い込んだ。これが次のステップへ進む大きな自信になっていく。

 

 

一つ一つ挑戦、学んで経験にしていく

本格的な生産体制やビジネルモデルを構築するにあたって、和田さんは自身の力不足を感じていた。2016年は起業塾で学んだほか、起業家セミナーへ出向いたり、先輩起業家に直接会って話を聞いたりと積極的に情報収集に努めた。「起業塾で、泣きながら作成した」という事業計画で、「横浜ビジネスグランプリ2017」〔主催:横浜企業経営支援財団(IDEC)〕にエントリー。審査を経て、ファイナリストに選ばれた。「横浜ビジネスグランプリ2017」に参加したことで、自分がやりたいことや商品のコンセプトが明確になるとともに、商品のブランディングにもなったという。これらの経験は、徐々に「事業として収益を上げてやっていきたい」と起業家としての意識に変化していった。

商品を発注した工場生産は、保育士であった和田さんには初めての経験。中国とのやりとりが上手くいかず四苦八苦しながらも、製造業者のサポートを受けながら生産の体制を整えている。「工場での製造、販売ルートづくり、販売戦略、どれをとっても全てが学びで、簡単にはいかない」と知った和田さん。直接工場へ赴き、商品のイメージを伝えたりとフットワークが軽い。さらに、情報を集め、人から学ぶことに積極的な一面もある。東京ビッグサイトで催される「ファッションワールド東京」に、これまで4回出展した。多くのバイヤーたちと直接顔を合わせる中で「これだと売れないから、こうしたほうがいい」などと親切に教えてもらうこともあった。様々なご縁があって、現在のKAPAPAがある。

 

起業家への支援制度を上手に活用!

和田さんは起業家育成のための支援制度を上手に活用している。「横浜ビジネスグランプリ2017」〔主催:横浜企業経営支援財団(IDEC)〕に続き、「かながわビジネスオーディション2018」〔主催:神奈川産業振興センター(KIP)〕でもファイナリストに進出。「IDECやKIPには、困りごとがあると相談して、驚くほどサポートしてもらっている」と和田さん。起業家を発掘・育成するコンテストなどは、たくさんの人との出会いや次への具体的なチャンスが得られるので、積極的に活用している。今年の2月には「神奈川なでしこブランド」に認定され、様々な媒体でKAPAPAが紹介される機会を得た。

また、8月には横浜DeNAベイスターズと連携したロゴ入りKAPAPAの販売も開始された。

 

事業資金については、これまで家計とは別の自己資金でまかなってきた。しかし工場での大量生産を行うため、今年度からは融資を受けて本格的に事業を始動し始めた。

販売戦略も支援機関と相談しながら進める。2017年から卸販売を始めて、現在の卸先は3店舗。ネットでの直販はECサイトで行い、最近はAmazonでも販売が始まった。大手百貨店での販売を見込み、2018年度の販売目標は600個。ランドセルの新モデルが発売される、夏休みから年末にかけて売り込む予定だ。他にコラボした製品の受注や、近い将来は私立小学校向けへと販路を広げたいとしている。「KAPAPA 2018年モデル」はバイヤーや友人たちの声を反映させてさらに改良を加えた。工場に大量発注した今年度は、予定通りに販路が広がるかがキーとなる。

 

周囲の共感を得えて一緒に夢を実現しよう!

和田さんはポジティブで一生懸命。周囲が自然と共感してしまう雰囲気を持っている。「これまでやってこられたのは、家族の支えはもちろんママ友のネットワークのおかげ」と和田さんは微笑む。ママ友とは日頃から連絡し合って、困ったときには子どもを預けたり、ご飯を食べさせてもらったりとお互いに支え合っているという。

息子さんとは、この夏休みに中国の提携工場を訪問するつもりだ。息子さんにはいつも「起業すると出会う様々な面白いこと」を伝えて、一緒に面白がってもらえるようにするとともに、将来に向け教育の一環となるよう、心がけている。家族やママ友、支援者たちを巻き込み、みんなで夢をかなえるホルドナマーケット。これからのKAPAPAの展開に目が離せない。

 

組織紹介

ホルドナマーケット

ウェブサイト:https://www.holudona.com/
Facebook:https://www.facebook.com/holudonamarket/

※「横浜ビジネスグランプリ2019」〔主催:横浜企業経営支援財団(IDEC)〕のプラン募集は8月から予定されています。是非ご応募を!!
URL:http://www.idec.or.jp/keiei/ybg/gaiyou.php

 

【取材】
インタビュアー/齋藤保(株式会社イータウン代表取締役)
レポート・撮影/中山貴久子(株式会社イータウンレポーター/森ノオトライター)

取材:2018年6月