ソーシャルビジネス現場訪問レポート2013 Vol.6 「認定NPO法人あっとほーむ 小栗ショウコさん」


認定NPO法人あっとほーむ 小栗ショウコさん

“働くお母さん”をサポートする保育事業の代表格、次の一手

自分の事業が軌道に乗った時に、モデル事業としてスケールアウト(展開)※していきたいと考える事業者は多い。しかし、そこには「どうやったらいいの?」という疑問がつきまとう。なぜスケールアウトしたいのか、規模の拡張だけでは手法と目的が入れ違ってしまいかねない。ソーシャルビジネスの視点ならではのスケールアウトについて、「認定NPO法人あっとほーむ」の小栗ショウコさんに聞いた。

P1000765_spy

“おうち保育園”起業支援とその先の目標

2013年に認定NPO法人となった「あっとほーむ」は、スタートして15年経つ現在、登録者数は毎年約80人。1日の利用者は小学生20人、夜間保育7人くらいだという。テレビ番組や雑誌の取材などにも取り上げられ、都筑区の保育事業ではよく知られた存在である。

小栗さんは保育の現場の傍ら、横浜社会起業塾2011年度支援事業として「おうち保育園協会」を運営しながら、起業支援事業としてスクールを開校している。「私が試行錯誤して15年かかったことを、3年から5年くらいで到達できるように教えたい」と小栗さんは言う。

P1000792_spy

「最初にマンツーマンで5人教えました。そのうち2人はいま開業してやっています。5人教えた後にマンツーマン教育からどうやってステップアップして効率化を図るかを1年くらい勉強しました。フランチャイズ、支社をつくるなど、いろいろな考えがあるのですが、私が一番しっくりきたのは、昔ながらの“蕎麦屋の暖簾分け”でした。飲食店チェーンのように屋号を暖簾分けするのではなく、“おうち保育園”のコンセプトの暖簾分けだ。「その時いろいろ考えました。「あっとほーむ」を大きくしたいわけではない。私が有名になりたいわけではない。「あっとほーむ」みたいな“おうち保育園”が増えてほしいだけです。
おうち保育園協会の中に「あっとほーむ」と横並びで他の人たちもいてくれればといい、ということです。

おうち保育園の基本的なコンセプトに該当する人たちには認定会員として登録商標“おうち保育園”の名称の使用権を与えますが、学習塾や子育て広場に近いものをやりたい人は普通会員として登録してもらっています。この事業は開業後に事業者同士の交流が少なくなってしまうため、ネットワークをつくって励ましあい、勉強しながらスキルアップしていくためです。このネットワークの構築が、私の最終的な目標です」。

P1000806_spy

「夢を叶えたい人には、徹底的に教えてあげたい」

小栗さんは、自分の住んでいる地域性に合わせて、各々が好きなように“おうち保育園”を展開すればいいと考えているが、スクールの受講生に「自宅それに準じた施設でやる」、「子どもの年齢を区切らない」、「行政がやれない時間帯をやる」と条件をつけている。「広がっていけばいくほどいろんな方が来ますが、「あっとほーむ」では無理と思ったらすぐに断ります」

小栗さんのスクールの受講料は約20数万円。専業主婦には大きな金額だ。「これを出せるという覚悟のある人はやれますよ。20万円出しても勉強して夢を叶えたいと来てくれるのなら、徹底的に教えてあげたいです。全員が起業できるわけではないと受講生もわかってはいます。それでも、私が100%力を注いでいるスタンスは伝わっていると思います」

P1000772_spy

伝えたくても伝わりきらないものはあるのだろうか。「実習を60時間(1日6時間×10日間)入れています。それを入れないと伝えきれないと思ったので。子どもたちがたくさんいるとどうなるのか、子育てとどう違うか、スタッフにどういう対応をするか、目で見ないと分からないことがたくさんあります。「実習は必要ですか」「実習しないなら安くしてくれますか」と言う方もいましたが、そういう方は受け入れませんでした」。

この事業の一番の原動力は、「日々必要とされている感」だという。「現場で直接、利用者さんや子どもたちと接するのが楽しい。だから、勉強会で講師だけやるとか、社長になって経営に専念はしたくないんですよ。」生涯現場を離れないつもりなんですねと聞くと、「だって、楽しいですもん」との答えが。「子どもたちは、泣いても笑っても喧嘩していても、みんなかわいいです!」。

P1000805_spy

※スケールアウトとは:

ソーシャルビジネスの社会的インパクトを高め、広域で量的ニーズにも応える体制をつくるために、ビジネスモデルを水平展開させること。

<組織概要>

●団体:
認定NPO法人あっとほーむ
●所在地:
224-0015 横浜市都筑区牛久保西3-2-7
●事業概要:
働く女性の負担を軽減したいと、自宅で夜間保育を始め、1998年に「あっとほーむ」を設立。現在は学童保育と夜間保育を行っており、年間約80人の子供が利用している。また「おうち保育」の普及のために、開業のためのスクール、運営のサポート、セミナーなどの活動も行っている。
●活動地域:
横浜市都筑区
●WEBサイト:
http://www.npoathome.com/index.html

★「あっとほーむ」の現場視察会に行ってみる→https://socialport-y.city.yokohama.lg.jp/?p=3271


ソーシャルビジネス現場訪問レポート2013 Vol.6 「認定NPO法人あっとほーむ 小栗ショウコさん」


認定NPO法人あっとほーむ 小栗ショウコさん

“働くお母さん”をサポートする保育事業の代表格、次の一手

自分の事業が軌道に乗った時に、モデル事業としてスケールアウト(展開)※していきたいと考える事業者は多い。しかし、そこには「どうやったらいいの?」という疑問がつきまとう。なぜスケールアウトしたいのか、規模の拡張だけでは手法と目的が入れ違ってしまいかねない。ソーシャルビジネスの視点ならではのスケールアウトについて、「認定NPO法人あっとほーむ」の小栗ショウコさんに聞いた。

P1000765_spy

“おうち保育園”起業支援とその先の目標

2013年に認定NPO法人となった「あっとほーむ」は、スタートして15年経つ現在、登録者数は毎年約80人。1日の利用者は小学生20人、夜間保育7人くらいだという。テレビ番組や雑誌の取材などにも取り上げられ、都筑区の保育事業ではよく知られた存在である。

小栗さんは保育の現場の傍ら、横浜社会起業塾2011年度支援事業として「おうち保育園協会」を運営しながら、起業支援事業としてスクールを開校している。「私が試行錯誤して15年かかったことを、3年から5年くらいで到達できるように教えたい」と小栗さんは言う。

P1000792_spy

「最初にマンツーマンで5人教えました。そのうち2人はいま開業してやっています。5人教えた後にマンツーマン教育からどうやってステップアップして効率化を図るかを1年くらい勉強しました。フランチャイズ、支社をつくるなど、いろいろな考えがあるのですが、私が一番しっくりきたのは、昔ながらの“蕎麦屋の暖簾分け”でした。飲食店チェーンのように屋号を暖簾分けするのではなく、“おうち保育園”のコンセプトの暖簾分けだ。「その時いろいろ考えました。「あっとほーむ」を大きくしたいわけではない。私が有名になりたいわけではない。「あっとほーむ」みたいな“おうち保育園”が増えてほしいだけです。
おうち保育園協会の中に「あっとほーむ」と横並びで他の人たちもいてくれればといい、ということです。

おうち保育園の基本的なコンセプトに該当する人たちには認定会員として登録商標“おうち保育園”の名称の使用権を与えますが、学習塾や子育て広場に近いものをやりたい人は普通会員として登録してもらっています。この事業は開業後に事業者同士の交流が少なくなってしまうため、ネットワークをつくって励ましあい、勉強しながらスキルアップしていくためです。このネットワークの構築が、私の最終的な目標です」。

P1000806_spy

「夢を叶えたい人には、徹底的に教えてあげたい」

小栗さんは、自分の住んでいる地域性に合わせて、各々が好きなように“おうち保育園”を展開すればいいと考えているが、スクールの受講生に「自宅それに準じた施設でやる」、「子どもの年齢を区切らない」、「行政がやれない時間帯をやる」と条件をつけている。「広がっていけばいくほどいろんな方が来ますが、「あっとほーむ」では無理と思ったらすぐに断ります」

小栗さんのスクールの受講料は約20数万円。専業主婦には大きな金額だ。「これを出せるという覚悟のある人はやれますよ。20万円出しても勉強して夢を叶えたいと来てくれるのなら、徹底的に教えてあげたいです。全員が起業できるわけではないと受講生もわかってはいます。それでも、私が100%力を注いでいるスタンスは伝わっていると思います」

P1000772_spy

伝えたくても伝わりきらないものはあるのだろうか。「実習を60時間(1日6時間×10日間)入れています。それを入れないと伝えきれないと思ったので。子どもたちがたくさんいるとどうなるのか、子育てとどう違うか、スタッフにどういう対応をするか、目で見ないと分からないことがたくさんあります。「実習は必要ですか」「実習しないなら安くしてくれますか」と言う方もいましたが、そういう方は受け入れませんでした」。

この事業の一番の原動力は、「日々必要とされている感」だという。「現場で直接、利用者さんや子どもたちと接するのが楽しい。だから、勉強会で講師だけやるとか、社長になって経営に専念はしたくないんですよ。」生涯現場を離れないつもりなんですねと聞くと、「だって、楽しいですもん」との答えが。「子どもたちは、泣いても笑っても喧嘩していても、みんなかわいいです!」。

P1000805_spy

※スケールアウトとは:

ソーシャルビジネスの社会的インパクトを高め、広域で量的ニーズにも応える体制をつくるために、ビジネスモデルを水平展開させること。

<組織概要>

●団体:
認定NPO法人あっとほーむ
●所在地:
224-0015 横浜市都筑区牛久保西3-2-7
●事業概要:
働く女性の負担を軽減したいと、自宅で夜間保育を始め、1998年に「あっとほーむ」を設立。現在は学童保育と夜間保育を行っており、年間約80人の子供が利用している。また「おうち保育」の普及のために、開業のためのスクール、運営のサポート、セミナーなどの活動も行っている。
●活動地域:
横浜市都筑区
●WEBサイト:
http://www.npoathome.com/index.html

★「あっとほーむ」の現場視察会に行ってみる→https://socialport-y.city.yokohama.lg.jp/?p=3271