横浜スタートアップ事業者レポート《有限会社ラ・フルール 今村奈美子さん》


大倉山駅から徒歩2分、花屋&カフェ「ラプティフルール」を運営する有限会社ラ・フルールの今村さんを訪ねた。平成15年に創業されて今期で15期目。神奈川県中小企業同友会では女性部会の会長を務められ、平成30年1月27日(土)にパシフィコ横浜で開催される「横浜女性ネットワーク会議&ウーマンビジネスフェスタ」の分科会への登壇が予定されている。

 

横浜女性ネットワーク会議&ウーマンビジネスフェスタ
http://network-wobizfesta.yokohama/

 

起業の準備

学習塾で講師をしながら起業を目指した。事前の準備は商工会議所の個別相談の利用に留まり、まずは実際の現場に入って運営方法を学ぶことを選んだという。1年半はインテリアショップにカフェを併設した店舗で一人のスタッフの立場として働き、さらに1年半は花屋でフラワーアレンジや仕入れのノウハウを学んだ。経営の臨場感を経験するために、あえて家族経営の店舗へ。起業を目指している事情を説明し、社長の横について働かせてもらったことが大きな経験になったそうだ。

当初、開業を検討した地域は青葉台駅の周辺だった。気に入った物件が見つかったが、消防法等の兼ね合いから、本格的に調整を進めると改装費が予想以上にかかるために断念。候補地の範囲を広げて探し、たどり着いたのが大倉山の現店舗だった。「偶然のめぐり合わせだったが、店内が横に長く、通りに面して大きな窓があり、気に入りました」

花屋とカフェの複合型店舗「ラプティフルール」を開店したばかりの頃は、周辺に競合店と呼べるお店は無かった。その後大手コーヒーチェーン店が出店した際は、メニューに紅茶を追加して競合とならないよう工夫したという。しかし、起業前に都内の店舗で学んだ商品ターゲットや人材配置などの運営ノウハウは、大倉山でのニーズとはギャップがあり、そのままでは通用しないと感じたそうだ。そこで、店舗周辺に住む方々を観察することで、ファミリー層を意識した現在の商品サービスに至ったという。

経営の勉強

今村さんにとって、神奈川県中小企業同友会に参加したことが、事業の大きなターニングポイントになったと言う。「やはり経営を知らなかったのだと思います。同友会では特定の人に教わるのではなく、多くの経営者とお話することで経営知識を吸収しました。ある方に勧められたランチェスター経営の本を読んでからは、花屋ではあれもこれも売らずに受注だけに絞ることにしました」

税理士からマーケティングを学び、花に名前を付けて売る方法と仕組みを考え、会社経営者を対象に社員の誕生日や記念日に花を届ける商品とした。「どうしたら名刺交換の30秒間で相手の興味を引きながら商品を伝えられるのか。考え出したのが“モテ花”でした」

名刺交換では「モテるお花を売っています」と一言だけ伝えて相手の興味を引くようになったそうだ。

リンクと循環

「最近は仕事が面白いです。これまでは毎月の経費を稼ぐために経営しているようで疑問に思ったこともありましたが、やっと仕事の楽しみがわかってきました」その考え方の変化に至るきっかけを伺うと、「リンク」と「循環」というキーワードが出てきた。「花屋でお庭の手入れに関する仕事の依頼が入り、オーガニック庭造りを得意とする園芸店とエンドユーザーとの接点をつくることができました。カフェでオーガニックのハーブティーを飲みながら花屋のお庭相談会を開催し、口コミで情報が拡がり、今度は健康志向の醗酵に関する講座を開き、それをカフェのメニューに取り入れるようにしました」

花屋とカフェの間で物事が循環する。次第にその仕組みを外へ出してご近所のお店と連携した大倉山の「ご近所プレート」を提供することにした。カラアゲとパン、八百屋の有機野菜は店舗から目の届く範囲にあるお店で仕入れている。「ご近所プレート」を召し上がったお客様が帰り道にそのお店へ寄って買ったり、逆にお店で紹介されてカフェでご注文されたりするといった循環が生まれた。

さらには、「近所のヨガ教室や女性専用パソコン教室の講座をカフェで開いて、地域のお店とも仲良くなり、徐々に周りから楽しそうに見られるようになっていきました」これらの取り組みは創業12年目以降に始めたことが徐々に地域に広がり、「大倉山の町全体の価値を上げることが必要ではないか」と、考え方に変化が生まれたそうだ。

それからは、大倉山の梅まつり(大倉山観梅会)へ出店した。「初めて参加したことで、町一番の盛り上がりを体験しました。そこで、毎日が梅まつりのような賑わいのある町にできないかと考えました」一店舗だけでは実現できないので、商店街の店舗と一緒に”裏道イベント”を開催した。これがきっかけで表通りの店舗も参加するようになり、次第に枠を越えて大倉山の町全体が盛り上がっていく雰囲気になっていった。

 

花屋とカフェの展開

「女性は儲けることに一歩踏み出せないでいるケースが多いと言います。そこでラ・フルールではママさんやフリーランスを対象とした”おうち起業ビジネスサロン”というセミナーを開催しました。次第に起業相談が増えてきたので、ビジネスサロンを同友会のスタイルにして”大倉山・女性起業家ビジネスサロン”としました。経験をお互いにシェアすることで仲良くやっています」

最後に今村さんへ「リンク」と「循環」の成果について伺った。「花屋とカフェではビジネスの考え方が違う。カフェは枝葉が分かれるように自由にスペースを使えるなど、おもしろく展開することができ、さらにはお客様の提案を受けて場所の活用方法を広げています」カフェで教室を開催して企画を組むことは、場所を地域に開くことで実現できた仕組みであり、来客数が天候に左右される一か八かの営業を減らす効果も上がっている。

「リンクと循環」によって、今後さらに大倉山の町が盛り上がる。これからも注目したい。

 

お知らせ
今村さんは平成30年1月27日(土)に「パシフィコ横浜で開催される横浜女性ネットワーク会議&ウーマンビジネスフェスタ」の分科会に登壇予定です。イベントの詳細はこちらのページをご覧ください。

横浜女性ネットワーク会議&ウーマンビジネスフェスタ
http://network-wobizfesta.yokohama/

 

組織概要

有限会社ラ・フルール(ラプティフルール)
http://www.petite-fl.ecnet.jp/

所在地:
横浜市港北区大倉山3-5-29

取材:2017年12月


横浜スタートアップ事業者レポート《有限会社ラ・フルール 今村奈美子さん》


大倉山駅から徒歩2分、花屋&カフェ「ラプティフルール」を運営する有限会社ラ・フルールの今村さんを訪ねた。平成15年に創業されて今期で15期目。神奈川県中小企業同友会では女性部会の会長を務められ、平成30年1月27日(土)にパシフィコ横浜で開催される「横浜女性ネットワーク会議&ウーマンビジネスフェスタ」の分科会への登壇が予定されている。

 

横浜女性ネットワーク会議&ウーマンビジネスフェスタ
http://network-wobizfesta.yokohama/

 

起業の準備

学習塾で講師をしながら起業を目指した。事前の準備は商工会議所の個別相談の利用に留まり、まずは実際の現場に入って運営方法を学ぶことを選んだという。1年半はインテリアショップにカフェを併設した店舗で一人のスタッフの立場として働き、さらに1年半は花屋でフラワーアレンジや仕入れのノウハウを学んだ。経営の臨場感を経験するために、あえて家族経営の店舗へ。起業を目指している事情を説明し、社長の横について働かせてもらったことが大きな経験になったそうだ。

当初、開業を検討した地域は青葉台駅の周辺だった。気に入った物件が見つかったが、消防法等の兼ね合いから、本格的に調整を進めると改装費が予想以上にかかるために断念。候補地の範囲を広げて探し、たどり着いたのが大倉山の現店舗だった。「偶然のめぐり合わせだったが、店内が横に長く、通りに面して大きな窓があり、気に入りました」

花屋とカフェの複合型店舗「ラプティフルール」を開店したばかりの頃は、周辺に競合店と呼べるお店は無かった。その後大手コーヒーチェーン店が出店した際は、メニューに紅茶を追加して競合とならないよう工夫したという。しかし、起業前に都内の店舗で学んだ商品ターゲットや人材配置などの運営ノウハウは、大倉山でのニーズとはギャップがあり、そのままでは通用しないと感じたそうだ。そこで、店舗周辺に住む方々を観察することで、ファミリー層を意識した現在の商品サービスに至ったという。

経営の勉強

今村さんにとって、神奈川県中小企業同友会に参加したことが、事業の大きなターニングポイントになったと言う。「やはり経営を知らなかったのだと思います。同友会では特定の人に教わるのではなく、多くの経営者とお話することで経営知識を吸収しました。ある方に勧められたランチェスター経営の本を読んでからは、花屋ではあれもこれも売らずに受注だけに絞ることにしました」

税理士からマーケティングを学び、花に名前を付けて売る方法と仕組みを考え、会社経営者を対象に社員の誕生日や記念日に花を届ける商品とした。「どうしたら名刺交換の30秒間で相手の興味を引きながら商品を伝えられるのか。考え出したのが“モテ花”でした」

名刺交換では「モテるお花を売っています」と一言だけ伝えて相手の興味を引くようになったそうだ。

リンクと循環

「最近は仕事が面白いです。これまでは毎月の経費を稼ぐために経営しているようで疑問に思ったこともありましたが、やっと仕事の楽しみがわかってきました」その考え方の変化に至るきっかけを伺うと、「リンク」と「循環」というキーワードが出てきた。「花屋でお庭の手入れに関する仕事の依頼が入り、オーガニック庭造りを得意とする園芸店とエンドユーザーとの接点をつくることができました。カフェでオーガニックのハーブティーを飲みながら花屋のお庭相談会を開催し、口コミで情報が拡がり、今度は健康志向の醗酵に関する講座を開き、それをカフェのメニューに取り入れるようにしました」

花屋とカフェの間で物事が循環する。次第にその仕組みを外へ出してご近所のお店と連携した大倉山の「ご近所プレート」を提供することにした。カラアゲとパン、八百屋の有機野菜は店舗から目の届く範囲にあるお店で仕入れている。「ご近所プレート」を召し上がったお客様が帰り道にそのお店へ寄って買ったり、逆にお店で紹介されてカフェでご注文されたりするといった循環が生まれた。

さらには、「近所のヨガ教室や女性専用パソコン教室の講座をカフェで開いて、地域のお店とも仲良くなり、徐々に周りから楽しそうに見られるようになっていきました」これらの取り組みは創業12年目以降に始めたことが徐々に地域に広がり、「大倉山の町全体の価値を上げることが必要ではないか」と、考え方に変化が生まれたそうだ。

それからは、大倉山の梅まつり(大倉山観梅会)へ出店した。「初めて参加したことで、町一番の盛り上がりを体験しました。そこで、毎日が梅まつりのような賑わいのある町にできないかと考えました」一店舗だけでは実現できないので、商店街の店舗と一緒に”裏道イベント”を開催した。これがきっかけで表通りの店舗も参加するようになり、次第に枠を越えて大倉山の町全体が盛り上がっていく雰囲気になっていった。

 

花屋とカフェの展開

「女性は儲けることに一歩踏み出せないでいるケースが多いと言います。そこでラ・フルールではママさんやフリーランスを対象とした”おうち起業ビジネスサロン”というセミナーを開催しました。次第に起業相談が増えてきたので、ビジネスサロンを同友会のスタイルにして”大倉山・女性起業家ビジネスサロン”としました。経験をお互いにシェアすることで仲良くやっています」

最後に今村さんへ「リンク」と「循環」の成果について伺った。「花屋とカフェではビジネスの考え方が違う。カフェは枝葉が分かれるように自由にスペースを使えるなど、おもしろく展開することができ、さらにはお客様の提案を受けて場所の活用方法を広げています」カフェで教室を開催して企画を組むことは、場所を地域に開くことで実現できた仕組みであり、来客数が天候に左右される一か八かの営業を減らす効果も上がっている。

「リンクと循環」によって、今後さらに大倉山の町が盛り上がる。これからも注目したい。

 

お知らせ
今村さんは平成30年1月27日(土)に「パシフィコ横浜で開催される横浜女性ネットワーク会議&ウーマンビジネスフェスタ」の分科会に登壇予定です。イベントの詳細はこちらのページをご覧ください。

横浜女性ネットワーク会議&ウーマンビジネスフェスタ
http://network-wobizfesta.yokohama/

 

組織概要

有限会社ラ・フルール(ラプティフルール)
http://www.petite-fl.ecnet.jp/

所在地:
横浜市港北区大倉山3-5-29

取材:2017年12月